近代の技術 ― 科学技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 04:09 UTC 版)
《技術学》または《テクノロジー》は、啓蒙主義・機械論(機械論的自然観)・民主主義等の影響下で発生した。かつて18世紀ドイツのゲッティンゲン大学では、技術的学問として「技芸史」が存在していた。(ドイツ語ではクンストゲシヒテ(Kunst Geschichte)、英語ではアートヒストリー(art history)。) そこへ影響したのが、啓蒙主義や機械論だった ―― すなわちフランシス・ベーコンやディドロやダランベール等による、自然哲学的・自然史的な技術研究が影響した。これにより、技芸史は1772年に《技術学 テヒノロギー(Technologie)》へと革新された。技術学は英語圏の「テクノロジー(technology)」に相当し、そしてアメリカのジャクソン流民主主義時代から普及していった。 なお原義から辿れば、技術学(テクノロジー)と工学(エンジニアリング)は異なる。工学の語源はラテン語のインゲニウム(ingenium)で、《発明》・《天才の所産》を意味する。そうした成立経緯があるため、現代の大学や学会で「工学」は《特殊な職業人的な教育と研究》を意味する。一方で「技術学」の由来は、職業教育を求めないゲッティンゲン大学の《一般的教育》であり、この大学は《自由な教授と学習》を誇っていた。そうした特徴は現代の技術学にも及んでいる。 同時に、各言語で「技術」と「技術学」が混同されている。それでいて通常、英語では「テクノロジー」(technology)が、日本語では「技術」が使われることが多い。山崎は.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0} 「この混同は、「技術」とは何かという本質的な問題を論ずるときに混乱となる。「科学」が「技術」に接近し、「科学技術」に一体化される今日、その起源に立ち返って考えることが必要となってきている」 と記述している。
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