転校生
『風の又三郎』(宮沢賢治) よく晴れて風の強い9月1日、谷川の岸の小さな小学校に、高田三郎が転校してくる。級友たちは彼を「風の又三郎」ではないかと言いつつ、ともに遊ぶ。しかしわずか10日後の9月11日の日曜日に、高田三郎は父の転勤により学校を去る。9月12日の月曜日、風雨の強い朝、級友たちは高田三郎がいなくなったことを知って、「やっぱりあいづは風の又三郎だったな」と言う。
『デミアン』(ヘッセ) エミール・シンクレールの通うラテン語学校に、マックス・デミアンが転校してくる。デミアンは、シンクレールにつきまとう不良クローマーを追い払って、シンクレールの救済者となり導き手となる。デミアンはシンクレールに、悪魔をも兼ねる神アプラクサスを教える。
★2.転校生をいじめる。
『青い山脈』(石坂洋次郎) 女学生・寺沢新子は、従弟といっしょにいただけなのに、「不純異性交遊をしている」との風評がたったため、学校にいられなくなり、ある田舎町の女学校に転校して来る。しかし転校先の女学校でも、同級生たちは新子をふしだらな女のように見なし、にせの恋文を送って新子を試そうとする→〔恋文〕2。
『愛と誠』(梶原一騎/ながやす巧) 信州の不良高校生だった太賀(たいが)誠が、東京の青葉台学園高等部に転校する。青葉台学園は、卒業生の多くが政財界・文化界の第一線で活躍する名門校だった。「太賀誠の魂は、健全な学園生活を送ることによって蘇る」と、早乙女愛は信じていた(*→〔恩返し〕2)。しかし誠は喧嘩を繰り返し、暴力で学園を支配する。誠は他校生徒との大乱闘事件を引き起こして退学処分を受け、悪名高い花園実業高校へ転校する。愛も、誠の後を追って花園実業高校へ転校する。
『小さな王国』(谷崎潤一郎) 貝島昌吉の受け持つG県M市のD小学校尋常5年級に、東京から沼倉庄吉が転校してくる。貝島の知らぬ間に、沼倉は学級内に共和国を作って大統領となる。共和国内だけで通用する紙幣が印刷され、秘密探偵が子供たちの素行を監視する。貝島も生活苦から沼倉の家来になり、共和国紙幣を町で使おうとする。
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