軍歌か鎮魂歌か
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/02 16:08 UTC 版)
大本営発表や出征兵士を送る際に使われた一方で、戦没者の遺骨を迎える際にも使われた経緯から、「軍歌」と認識する者と「鎮魂歌」と認識する者に分かれている。2016年(平成28年)から千葉県八千代市で年に1回開催されている「日本の心を歌う集い」では、第3回となる2018年(平成30年)3月3日に本曲が歌われる予定となり、それまで同イベントを後援してきた八千代市教育委員会は、一部の市民から「軍歌を歌うイベントの後援は好ましくない」との指摘を受け、第3回の後援は見送ることを決めた。同教委は主催者側に対しては「社会通念上、軍歌とされる『海行かば』が歌われる」「この歌を歌えば戦争賛美、戦死賛美を助長しかねない」といった理由を示し、産経新聞の取材に対しても「『海行かば』は作られた経緯から軍歌だと思っている」と説明した。一方、主催者側は「そもそも『海行かば』は軍歌ではなく鎮魂歌だ」「市教委は一方の市民の意見を代弁しており、公正中立とはいえない」と反発し、法的な対抗策を検討する構えも見せた。関東学院大学文学部教授の富岡幸一郎も「『海行かば』や本居宣長の和歌など、伝統的な文芸が戦意高揚に使われたことはあるが、本来は軍国主義と無関係」と述べている。なお、八千代市は第3回も後援を決めた。
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