軍事教育体系の近代化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 07:50 UTC 版)
近代に専門的職業軍人が成立し、戦闘技術の習得に限定されていた軍事教育の内容は戦術学や戦略学の習得にも拡大するようになった。17世紀にオランダ、フランス、スペインでは初めて軍学校が設置され、政府の下で幼少年に対する技術的な教育が行われていた。オランダの先進的な軍学校で教育にあたっていたマウリッツは小銃の操作を基本教練に組み込むことで軍事訓練のモデルを確立した。18世紀の啓蒙主義の時代精神を背景として社会では民間人のための技術学校が設置されていくに従って、軍学校の制度はヨーロッパ各地の軍隊で普及していった。同時期にヨーロッパ諸国の各言語で軍事学の研究、教科書や参考書の出版をもたらし、科学的手法に基づいた戦争学が成立した。19世紀後半にはまずプロイセンで将校のための発展的な軍事教育を専門とする陸軍大学校が創設され、フランス、イギリス、オーストリア、イタリアでも相次いで創設されていった。プロイセンではシャルンホルストにより体系的な将校教育制度が基礎付けられ、部隊指揮官や幕僚勤務に必要な専門的知識と指揮能力が付与された。
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