超新星、極超新星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 18:47 UTC 版)
超新星の際、星がその命運の終わりに着くと、500億度を超える高温高圧を保つ恒星の中心では黒体放射による光により鉄の光崩壊が起こる。鉄はその多くがヘリウムと中性子に分解される。 Fe 56 + γ ⟶ 13 4 He + 4 n {\displaystyle {\ce {{^{56}Fe}+\gamma ->{13^{4}He}+4{\it {n}}}}} また、同時に電子捕獲も行われ、陽子が中性子に変化する。これらの結果、恒星の中心部は最終的に中性子の塊に変化していく。中性子の芯は冷え始め、中心部から外へ向かう圧力が減少し、収縮し始める。そこに重力によって外部の鉄原子がなだれ込み、中心の芯と衝突する。このとき衝撃波が発生し、衝撃波は冷えた中性子の核から発せられるニュートリノで増幅され、これによって恒星は爆散する。 太陽の250倍よりも大きい恒星の場合、その最期である極超新星爆発において、光崩壊はより重要な要因となる。鉄以上の重さを持つ原子の光崩壊ではエネルギーが大きく吸収される。恒星の最終段階では光崩壊による吸熱が星の核の温度と圧力を低下させる程に大きくなる。これによって光崩壊で奪われたエネルギーの代償として核の崩壊の始まりが引き起こされ、重力崩壊する核はブラックホールの誕生を導く。
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