超伝導における渦とは? わかりやすく解説

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超伝導における渦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:30 UTC 版)

量子渦」の記事における「超伝導における渦」の解説

超伝導性質一つであるマイスナー効果は、超伝導体内部侵入しようとする外部磁場排除する現象である。しかし、外部磁場十分に強くなり臨界磁場超えたとき、超伝導状態は壊れて磁場侵入を許すことになる。特に、第二種超伝導体においては部分的に量子渦格子作りその内部に磁束を通すことでエネルギー的に安定となる。これが超伝導体における磁束の量子化である。 閉曲面Sの上での、磁束は Φ = ∫ S B ⋅ n ^ d S = ∮ ∂ S Ad l {\displaystyle \Phi =\int _{S}{\boldsymbol {B}}\cdot {\boldsymbol {\hat {n}}}\,dS=\oint _{\partial S}{\boldsymbol {A}}\cdot d{\boldsymbol {l}}} と書ける。ここで、 B = ∇ × A {\displaystyle {\boldsymbol {B}}=\nabla \times {\boldsymbol {A}}} は磁束密度、 A {\displaystyle {\boldsymbol {A}}} はベクトルポテンシャル、 n ^ {\displaystyle {\boldsymbol {\hat {n}}}} は面積要素Sに対す法線ベクトルであり、2つ目の等式ではストークスの定理用いている。上式の A {\displaystyle {\boldsymbol {A}}} を超伝導電流密度 j s = − n s e s 2 m A − n s e s ℏ m ∇ ϕ {\displaystyle {\boldsymbol {j}}_{s}=-{\frac {n_{s}e_{s}^{2}}{m}}{\boldsymbol {A}}-{\frac {n_{s}e_{s}\hbar }{m}}{\boldsymbol {\nabla }}\phi } を用いて書き換えると、 Φ = − m s n s e s 2 ∮ ∂ S j sd l + ℏ e s ∮ ∂ S ∇ ϕ ⋅ d l {\displaystyle \Phi =-{\frac {m_{s}}{n_{s}e_{s}^{2}}}\oint _{\partial S}{\boldsymbol {j}}_{s}\cdot d{\boldsymbol {l}}+{\frac {\hbar }{e_{s}}}\oint _{\partial S}{\boldsymbol {\nabla }}\phi \cdot d{\boldsymbol {l}}} となる。ここで、nsmsesは、それぞれ超伝導キャリア通常クーパー対)の数密度質量電荷であり、∇φは巨視的波動関数位相勾配である。もし、領域Sが十分大きく、第1項無視できるとき、波動関数可能な位相差は2πの整数倍(Δφ=2πn)となるから、磁束は Φ = ℏ e s ∮ ∂ S ∇ ϕ ⋅ d l = ℏ e s Δ ϕ = 2 π ℏ e s n {\displaystyle \Phi ={\frac {\hbar }{e_{s}}}\oint _{\partial S}{\boldsymbol {\nabla }}\phi \cdot d{\boldsymbol {l}}={\frac {\hbar }{e_{s}}}\Delta \phi ={\frac {2\pi \hbar }{e_{s}}}n} と量子化される。クーパー対電荷es電子電荷eに直すと、量子化単位は 2 π ℏ / e s = h / e s = h / 2 e {\displaystyle 2\pi \hbar /e_{s}=h/e_{s}=h/2e} となる。これは、磁束量子(magnetic flux quantum)と呼ばれ、およそ2.068×10-15 Wbという値が知られている。

※この「超伝導における渦」の解説は、「量子渦」の解説の一部です。
「超伝導における渦」を含む「量子渦」の記事については、「量子渦」の概要を参照ください。

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