警備態勢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 13:50 UTC 版)
事件の原因としてはベルギー警察当局の警備上の問題が指摘された。イギリス政府のニール・マクファーレン(英語版)スポーツ大臣からはサポーター同士の衝突を懸念し、ベルギー政府に対し可能な限りすべての警備対策を行うよう事前に要請が行われた。ベルギー側からの回答はなく、スタジアム内において適切な警備態勢が敷かれることはなかった。通常の警備態勢であれば両サポーターの間に緩衝地帯を設け、その間に警官隊を配置して混乱やトラブルを防ぐような仕組みになっているが、事件現場となったXゾーンとZゾーンを隔てるために用いたのは金網のフェンスのみ。スタジアム内の警備にあたる警官の数は不十分であり、両サポーターによる小競り合いが始まった後も警官隊の応援を要請するなどの対応は遅れた。元々、ベルギーの警察当局では試合終了後に市街地へと流入したサポーターによる暴動を想定しており、1,000人の警官のうち4分の3の人員をスタジアム外部に配置していたためZゾーンでの暴動と混乱に即座に対応することは出来なかったという。 また、試合当日に配置された多くの警官らはサポーター対応やフーリガン対策に不慣れであり、一部の目撃証言ではスタジアム内での暴動の際に冷静さを失い無作為に観客を殴打していたと指摘されている。 こうした警備態勢の不備について警察当局は事件後、多くのスポーツ関係者やテレビ解説者から批判を受けた。その中で西ドイツの心理学者であるゲオルク・ジーバーをはじめ一部の専門家は「警察が迅速かつ厳重に酩酊状態のサポーターを取り締まらなければならなかった。彼らがスタジアムに到着した時点で十分な検査を行い、対立するグループは完全に分離されなければならなかった」と指摘した。
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