読影・診断
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/02 14:56 UTC 版)
独特の、微妙な画像の読影技術を要求されるため、特に訓練を受けた医師でなければ正しく診断することは難しい。これは撮影する技師も同様である。このため、ほぼ各国それぞれに、マンモグラフィーの撮影、診断に関わる技師や医師への専門の教育訓練や、専門医・専門技師の資格制度が用意されている。また装置や設備(撮影装置だけでなくフィルムの読影室の環境などを含む)についても公的な基準や規約が設けられ、そうしたソフト面・ハード面を通じた管理システムがなければ、マンモグラフィーによる診断はできないと考えられている。日本ではNPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構(通称「精中機構」)が一元的にこうした教育・資格認定・基準策定などを行っている。この資格を持った医師・技師・施設はそれぞれ「精中機構」のホームページにて公開されているため、乳がん検診の受診者は、検診を受ける施設を決めるための指標にすることができる。 世界的には、アメリカ放射線学会(ARC)の勧告がデファクトスタンダードとして利用されており、日本の精中機構の教育内容や基準には、ARCのものを参考にローカライズされたものが見受けられる。 他方、2016年6月13日付の新聞報道によると、日本の自治体における乳癌検診で、乳房の形状によっては癌を見落とす可能性があるにもかかわらず、受診者に対し「異常無し」と通知されるケースが多いことが明らかになった。通知するためのシステムが存在しないケースが多いためとされ、有識者からはシステムを整備すべきだとの指摘が出ているが、日本における指針でも通知義務が存在しないことも問題視されている。
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