説岳全伝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/28 15:54 UTC 版)
銭彩・金豊らによって康煕23年(1684年)頃書かれた『精忠演義説本岳王全伝』(通称『説岳全伝』)は、時代的に『水滸伝』の直後に活躍した南宋初期の武将岳飛を主人公とした物語である。『説岳全伝』では第3回で岳飛の師の周侗(史書では周同)が、かつての梁山泊の豪傑林冲・盧俊義の師でもあったことが語られ、第27回では『水滸伝』の登場人物である張青・董平・阮小二の子が登場して岳飛の配下に加わる。また樊瑞・呼延灼・燕青・韓滔など梁山泊軍の生き残りもしくはその子孫たちが登場するなど、水滸伝を意識した作品となっている。 『説岳全伝』でも『水滸後伝』と同様、田虎・王慶に触れた部分がない一方で、金聖歎の編集による梁山泊悪人観が見られず、林冲や盧俊義の最期も百回本に準じていることなどから、百回本を参照したと思われる。なお、現在残る『説岳全伝』最古の刊本は同治9年(1870年)のものである。
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