誤給油のエンジンへの影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 23:32 UTC 版)
一般に、エンジンがかからない、排気ガスに煙が混じる、馬力が出ない、などの症状がでる。給油後にこのような症状が出た場合、速やかにエンジンを止めて整備・修理する必要がある。給油直後に誤給油が判明した場合は決してエンジンをかけてはならない。 ガソリンエンジンに軽油を給油した場合 エンジンをかけても直ちに重大な故障は起こらず、燃料、エンジンオイル、点火プラグの交換など、比較的簡単な整備ですむ場合が多い。軽油だけならば始動すらできないが、誤給油しても普通はエンジン手前の燃料パイプにガソリンが残っているのでエンジンは掛かる。多少は走行できるが、軽油はガソリンほど気化しないため不完全燃焼により点火プラグが汚れてエンジンが止まる。走行できる距離はガソリンと軽油の混合比、つまり、元々タンクに残っていたガソリンの量と誤給油した軽油の量によるのでまちまちである。軽油と性質が似た灯油の場合でも同様と思われる。 ハイオク(プレミアム)ガソリン指定エンジンにレギュラーガソリンを給油した場合 ハイオクとレギュラーは油種としては同じガソリンであり、トヨタ・2ZZ-GEエンジンなどレギュラー厳禁のエンジン以外では直ちに深刻なダメージはないが、故障につながる場合もある(詳しくは高オクタン価ガソリンを参照)。 ディーゼルエンジンにガソリンを給油した場合 ガソリンには十分な潤滑性がないため、燃料噴射ポンプが破損して、深刻な故障を起こすと言われている(乗用車に主に用いられる分配型噴射ポンプは燃料でポンプを潤滑するためガソリンでは故障する。トラックなどで用いられる列型ポンプではエンジンオイルで潤滑されるため、直ちに噴射ポンプの故障とはならない)。実際には元々残っていた軽油と混合されるので始動・走行できるが、馬力が落ち、排気ガスに白煙が混じる。やがては噴射ノズルの故障を起こす。 ディーゼルエンジンに灯油を給油した場合 軽油と灯油は性質が近いため直ちに深刻な故障には至らないが、灯油を燃料として自動車で公道を走ることは不正軽油として違法となり、手違いによるものであっても識別剤の検出を理由に検挙される可能性がある。また軽油にはディーゼルエンジンに用いるための潤滑剤を含む様々な添加剤が加えられている事があるが、灯油にそのような処理はされておらず故障の原因になる。
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