認知療法・認知行動療法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 09:58 UTC 版)
「境界性パーソナリティ障害」の記事における「認知療法・認知行動療法」の解説
アーロン・ベックやアルバート・エリスにより提唱された認知療法は、元々はうつ病に適用されたものであったが、その後不安障害など他の精神疾患にも広く施されるようになり、パーソナリティ障害にも大きな成果を上げることとなった。認知療法は1960年代 - 1970年代に誕生して以来改善が積み重ねられ、現在では行動療法的な技法と組み合わせて用いられることが多く、広義には認知行動療法と同義語となっている。 認知療法では、人の感情は出来事を「どのように解釈するか」(認知)で決まるという理論を基本にしている。ベックは抑うつ的なクライエントが持つ「自分は何の価値もない」「何をやってもうまくいかない」というような悲観的な思考は、認知のゆがみから生じると考え、また極端な二分法的思考は、気分の変動や急激な行動の変化につながるとした。詳細な治療目標を設定しつつ、クライエントが、二分法的思考法ではなく中間的あるいは多角的にも物事を捉える、感情や行動を自身で冷静かつ客観的に評価するなどの認知を獲得し、それに伴う適切な思考や行動が出来るようになるのが目標である。 エリスの認知療法はさらに治療者が能動的・指示的であり、クライエントに自覚を促すだけでなく、宿題を出すなどして積極的に介入していくものである。 行動療法では、クライエントの問題となっている不適切な行動を、新たな学習(行動)により変化させる訓練をする。
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