認知的な作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 01:27 UTC 版)
ベンゾジアゼピンの短期的な使用は、認知機能に様々な悪影響を及ぼし、最も顕著なことは新たな記憶の形成と統合を妨げたり、完全な前向性健忘症を誘発することである。しかし研究者らは、長期投与の影響に関する逆の意見を持っている。ある見解では、多くの短期間の影響が長期的に続く上にさらに悪化し、ベンゾジアゼピンをやめても解消しないということである。別の見解は、慢性的なベンゾジアゼピン使用者での投与後の短期間にのみ生じる認知障害とか、あるいは不安障害がその原因であると主張する。 決定的な研究はないが、前者については、13の小規模研究の2004年のメタ・アナリシスの支持に裏付けられている。このメタ・アナリシスは、ベンゾジアゼピンの長期的な使用が、認知のすべての領域において、中等度から大きな有害な影響に結びついていることを見出しており、視空間記憶が最も一般的に発見された障害であった。一部のほかの障害は、知能指数(IQ)、視覚運動協調、情報処理、言語学習と集中力の低下である。メタ・アナリシスの執筆者、また後の評論は、ほとんどは離脱専門病院から被験者を獲得しているためこのメタ・アナリシスの妥当性は制限されると注記している。併用薬、アルコールの使用、また精神障害は明示されていない。また、含まれた研究のいくらかは、離脱期間中に認知を測定している。
※この「認知的な作用」の解説は、「ベンゾジアゼピン」の解説の一部です。
「認知的な作用」を含む「ベンゾジアゼピン」の記事については、「ベンゾジアゼピン」の概要を参照ください。
- 認知的な作用のページへのリンク