詰め替え用インク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 21:13 UTC 版)
「インクジェットプリンター」の記事における「詰め替え用インク」の解説
互換インクカートリッジがすでにカートリッジにインクを充填した状態で販売されるのに対し、詰め替え用インクはインクのみがボトル等で販売されており、使用済みインクカートリッジにユーザー自身がインクを再注入(詰め替え)して使用する。 詰め替え用インクも純正品より安価であり、台湾など海外から輸入される廉価(数十円)な汎用インクが多い。最近は100円ショップでも20ml入りのインクが購入出来る様になっている。プリンターメーカーは、品質の保証されないサードパーティーの詰め替えインクを使用することで精巧なノズルを詰まらせてしまう危険性から、それらのインクを使用しないよう呼びかけている。かつては可能だったキヤノンを含め、現在は多くのプリンターでユーザーによるプリントヘッド(ノズル)の交換はできなくなっており(ヘッド一体型インクカートリッジを用いる機種はこの限りではない)、ノズルの詰まりはプリンターそのものを使えなくする危険性があるため、その使用にはリスクが伴うことになる。 なお、かつては単純な詰め替え作業で行える物がほとんどであったが、現在はメーカー各社がインク残量管理にICチップを導入しているため、詰め替えた後は特殊なリセッターを別途購入して使用してICチップを初期化する必要がある(インク残量が表示できなくなるものの、残量管理機能を無効にしてそのまま印刷を続けられる機種も一部存在する)。そのため、インク残量管理のICチップの導入前の詰め替えインクの利用が容易な旧機種に高値がついて取引される事例も少なからずある。 ただ、近年では中国がプラスチックゴミなどの輸入停止、海洋汚染の原因の一つである、プラスチックゴミの削減などの社会的情勢の変化により、プリンターメーカーから数十~数百mlの大容量インクタンクを備えた機種が2016年以降、各社が軒並み発売している。これらの機種はプリントヘッドに供給する大容量インクタンクに純正詰め替え用インクボトルから充填する方式をとっている。インクタンク式を採用することで大容量化が可能でインクカートリッジ式と比べて、ランニングコストが劇的に安くなるほか、交換頻度が減少するためゴミの量が少なくなるなどのメリットがある反面、インクカートリッジの販売で高い利益を生み出すことができないため、プリンター本体の価格が同性能のインクカートリッジ式と比べて高価な場合が多い。また、性質上、ICチップなどで残量管理ができないため定期的に残量を確認する必要があり、インクが空の状態で使用すると故障の原因となる。
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