詩と歌唱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/12 14:13 UTC 版)
詩の性格は、韻律と押韻によって決定される。これらの要素にはさまざまな名前が付けられている。 韻律 母音を1個含む音の最小単位が音節(Silbe)」であり、性質の異なる音節の組み合わせによって構成される言語リズムを「韻律(Maß)」という。 音節の性質には、長短(例:Tag - Sachs)、硬軟(例:Gott - Tod)、明暗(例:母音e, i - 母音o, u)などがあるが、ドイツ語の詩ではアクセントの強弱により「強(揚)音節(Hebung)」と「弱(押)音節(Senkung)」に分けられる。この強弱の音節の組み合わせによって、韻律の最小単位「脚(Fuß)」を形成する。脚の例として、「ヤンブス(弱強、例:Verbot)」、「トロカイオス(強弱、例:Vater)」、「ダクテュルス(強弱弱、例:Heilungen)」などがある。音節数と1行中の脚数を「音数(Zahl)」と呼ぶ。 押韻 行末の「韻(Reim)」は、1音節による「男性韻(鈍い韻)」(例:Duft/Luft)と2音節からなる「女性韻(響く韻)」(例:Wonnen/ersonnen)に大別される。 行同士を押韻するときには、韻律のところで述べた「音数」をそろえなければならない。 隣接する行同士の押韻を「対韻(Paarreim)」、1行おきの押韻を「交差韻(Kreuzreim)」と呼ぶ。アプゲザングのように、詩節中では韻を踏まないが、他の詩節の行と押韻するものを「穀粒(Korn)」、まったく押韻しないものを「孤児(Waise)」と呼ぶ。 また、例えば冒頭で1音節だけの短い行が末尾でやはり1音節だけの行と押韻することを「休止(Pause)」、詩節の中間に並ぶ2音節からなる2行が押韻するものを「打ち付け韻(Schlagreim)」と呼ぶ。 こうした韻律・押韻による詩に音楽旋律をつけた「マイスターの調べ(Meisterton)」は、歌詞や譜面を見ずに単旋律で歌われる。 2つのシュトレンは同じ旋律によって歌うこと、また、マイスター歌の1行は息継ぎなしで歌われるため、13音節を超えてはならないと定められていた。。
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