計算負荷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/10 16:14 UTC 版)
「シミュレーション仮説」の記事における「計算負荷」の解説
仮想市民型 2007年現在、分子動力学に要する計算能力は、世界最高速のコンピュータを数ヶ月使って、蛋白質の1つの分子の動きを0.1秒程度シミュレートできるレベルである。 銀河系全体をシミュレートするには、誰も観測していない領域のシミュレートを省くなどしない限り、想像以上に計算能力が必要となる。 このような主張に対して、ボストロムは人類の歴史全体をシミュレートするのにおおよそ 1033 から 1036 の計算が必要であるとした。彼はさらに、既知のナノテクノロジーを使って惑星サイズのコンピュータを作れば、一秒間に約 1042 回の計算が可能であると主張している。そして、惑星サイズのコンピュータの構築は基本的には不可能ではないとした。ただし、そのサブプロセッサ間でデータを共有するなら、光の速度が全体の計算速度を制限することになる。 ブレイン・マシン・インタフェース型 夢は、脳のある部分が作り出した刺激を別の部分が現実として感じているものだとする説がある[誰?]。そうだとすると、人間の脳全体より計算能力が低いコンピュータであっても、現実と感じられるようなシミュレーションを生み出せる可能性がある。同様な主張は、鮮明な記憶や想像、特に幻覚などにもあてはまる。しかし、これらは現実よりも鮮明さに欠け、物理法則が常に正しく成立しているわけでもない。現実世界の物理法則を常に正しく適用することは、おそらくシミュレーテッドリアリティでも最も計算能力を要する部分である。また、幻覚はシミュレーションが必要とするような鮮明で豊かな相互作用を提供しない。これは、脳が幻覚を生み出す際の計算能力が限られているためとする説もある[誰?]。 主張の妥当性 いずれにしても、現代の感覚でシミュレーテッドリアリティの実現可能性を論じることは間違いである。 また、シミュレーテッドリアリティはリアルタイムで実行される必要はない。シミュレートされた宇宙の住人は、彼らの主観時間と現実世界の時間の流れと違っていても気づきようがない。アイザック・アシモフはこの考え方を限界まで推し進め、住人に気づかれずにシミュレーションを逆方向に実行したり、複数の異なるコンピュータで実行したり、修道士らが数世代に渡ってそろばんを使って週末だけシミュレーションしたりといったことも可能であるとした。いずれの場合もシミュレーション内の時間の進行は妨げられない。
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