裁判の問題点について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 16:33 UTC 版)
最高検察庁の検事として袴田事件の審理を担当した竹村照雄は、地検に眠っている証拠を「もう一回分析することはしなかった。その前の段階で有罪だと思っているから、改めて無罪のこと(証拠)をほじくることはない」と述べた。証拠の全体像を知るのは検察側だけで、何を裁判に出すかは検察の裁量に任されており、今の裁判員が始まる前の制度では、検事、検察官は、被告人を有罪するのに最も適切な証拠だけ出せばよく、それ以外の証拠は一切見せなくていい、という問題点が指摘されている。 NHK解説委員の橋本淳は「(死刑判決を書いた裁判官の)熊本さんは7年前、守秘義務を破って異例の告白をしました。この中では、警察の厳しい取り調べで、袴田さんがうその自白を強いられたと見ていたこと、無罪にしようとしたが、ほかの裁判官を説得できず、心ならずも死刑判決を書いたことを明らかにしました」と指摘した。 週刊現代は、袴田事件裁判にかかわった裁判官・刑事・検事を実名であげ、その裁判の不当さを批判した。「裁判所が警察・検察とグルになって、袴田さんを殺人犯に仕立て上げた構図が浮かび上がる」と表現している。 2018年の東京高裁の再審請求を棄却したことについて、葛野尋之一橋大学法学部教授は「東京高裁は、有罪判決に合理的な疑いが残るかどうかを判断すべきなのに、再審請求で出された「新証拠」の個々の信用性を検討しており、問題がある」とした。
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