衆議院議員を辞職して衆議院補欠選挙に立候補
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 19:03 UTC 版)
「重複立候補制度」の記事における「衆議院議員を辞職して衆議院補欠選挙に立候補」の解説
重複立候補制度により、小選挙区選出ではなく、比例代表選出として復活当選した議員の場合、相手の小選挙区選出議員が何らかの事情で失職すると、自らも衆議院議員職を辞職した上で補欠選挙(衆議院小選挙区制選挙)に立候補をするということがある。この場合、衆議院議員を辞職したはずの者が、衆議院議員を辞職した直後に衆議院議員の選挙に立候補しているという非常に奇妙な現象が発生してしまう。 しかし、以下の要素から、衆議院議員を辞職して衆議院補欠選挙に立候補することがありえる。 まず、比例代表選出議員が辞職しても、同じ政党の次点候補が繰り上げ当選となるため、仮に辞職した比例選出議員が補欠選挙で落選したとしても、党組織としては国会の議席勢力に関してはデメリットはない(繰り上げ当選が可能な次点候補がいない場合はデメリットがあるが、そのような例は政党の予想以上に選挙で大勝している時に限られ、過去にもほとんど例がない)。 また、政党が補欠選挙で比例代表復活者以外の候補者を擁立して、尚かつその候補者が当選した場合、一人しか当選しない小選挙区に一政党が二人の立候補予定者を抱えてしまうということになり、次回総選挙の公認調整が難航すると予想される。したがって、党執行部(党幹部)や当該比例代表復活者自身が、公認調整問題をあらかじめ排除しておくため、党本部は比例代表復活者の補欠選挙への立候補を支持し、応援し、当該復活者も次回の衆院選まで待たず衆議院議員職をわざわざ辞職してまで立候補宣言をするわけである。 この例は、2002年福岡6区補選の古賀一成(民主党)、2004年埼玉8区補選の木下厚(民主党)、2008年山口2区補選の平岡秀夫(民主党)、2010年北海道5区補選の町村信孝(自民党)、2016年京都3区補選の泉健太(民進党)の5回ある。古賀一成の辞職時には、当時の綿貫民輔衆議院議長が、辞職願に「補選に立候補するため」となっていたことを問題視し、辞職願を受理しなかった。ただし、議長が受理しなくても、補選への立候補の届出をした時点で議員は失職するため、立候補そのものに問題はなかった。この5人の中で平岡秀夫と町村信孝と泉健太の3人は当選したが、古賀一成と木下厚の2人は落選した。
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