薬価の算定方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/19 07:35 UTC 版)
平成31年(2019年)4月1日以降、改正された「薬価算定の基準について」が適応される。 剤型区分が同じ類似薬のあるもの(新規性がある):類似薬効比較方式(Ⅰ) 類似薬のあるもの(新規性に乏しい):類似薬効比較方式(Ⅱ) 類似薬のないもの:原価計算方式 の3方式で、異なる計算方法が用いられている。 類似薬効比較方式(Ⅰ)では次の補正加算がなされる。類似薬効比較方式(Ⅱ)には補正加算がない。 画期性加算:70 -120% 有用性加算(Ⅰ):35 -60% 有用性加算(Ⅱ):5 - 30% 市場性加算(Ⅰ):10 - 20% 市場性加算(Ⅱ):5% 小児加算:5 - 20% 先駆け審査指定制度加算:10 - 20% 類似薬効比較方式(Ⅱ)では、下記のいずれか低い価格を採用する。 過去10年間に収載された類似薬の1日薬価の平均価格 過去6年間に収載された類似薬の最も安い1日薬価 上記1.と2.が類似薬効比較方式(Ⅰ)による算定額を超えた場合は、さらに、 過去15年間に収載された類似薬の1日薬価の平均価格 過去10年間に収載された類似薬の最も安い1日薬価 を比べて最も低い額とする。 原価計算方式については、以下を累積加算する。 原材料費 労務費 製造経費 製造(輸入)原価 販売費、研究費等 営業利益 流通経費 消費税 類似薬効比較方式(ⅠとⅡ)、原価計算方式のいずれも、日本国外に比較可能な薬が存在する場合は、外国平均価格調整が行われる。さらに原価計算方式以外では、規格間調整、キット製品に対する加算(5%)、配合剤に対する調整といった各種の調整がなされる。 後発医薬品の薬価算定は、価格帯で算定する。 最高価格の30%を下回る算定額となる後発品を、1つの価格(加重平均値)として収載。統一名収載の低薬価品群。 最高価格の30%以上、50%を下回る算定額となる後発品を、1つの価格(加重平均値)として収載。準低薬価品群。 最高価格の50%以上の算定額となる後発品を、1つの価格(加重平均値)として収載。その他の後発品群。 新規の後発医薬品の薬価は先行品の50%、バイオシミラーは70%を基本に算定されるが、バイオセイム(バイオ医薬品のオーソライズド・ジェネリック)はバイオシミラーと同様、暫定的に70%で算定する。 長期収載品の薬価算定は、最初の後発品の収載後10年が経過したもののうち、下記を除いたものが引き下げ対象となる。 日本薬局方収載医薬品 生物学的製剤、血液製剤 漢方製剤、生薬 希少疾病用医薬品のうち、希少疾病以外の疾病に対する効能を有しない医薬品 低価格医薬品特例(基礎的医薬品、不採算品再算定、最低薬価)のいずれかに該当する医薬品 後発品価格のうち最も低いものを下回る医薬品 対象となる長期収載品は、 後発品への置換えが進んでいるもの(G1) - 最初の後発品の収載後10年が経過した以降に後発品置換え率が80%以上になったもの 後発品への置換えが困難なもの(G2) - G1以外 に分類され、G1の方がより引き下げ率が高い。ただしバイオ医薬品には適応されない。 さらに、G1, G2の規定で引き下げられなかったもの(C)についても、補完的引下げとして、後発品置換え率が以下の規定にあてはまる品目は引き下げられる。バイオ医薬品にも適応する。 40%未満 - 2%引き下げ 40%以上 60%未満 - 1.75%引き下げ 60%以上 80%未満 - 1.5%引き下げ 以上の詳細については「薬価算定の基準について」を参照のこと。
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