薩隅方言の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 06:32 UTC 版)
「薩隅」とは、文字通り九州南端の西に位置する薩摩と、東に位置する大隅の両方に通じるものとして総称されたものである。この地域の方言はニュアンス的な差異はあるものの、大別すれば同一の方言圏に属する。なお、九州のこのような方言分類としては他に、「肥筑方言」と「豊日方言」とがある。つまり九州の方言は大きく3つのブロックに分かれることになる。「よか」のようなカ語尾や「ばってん」などの九州方言らしい特徴は肥筑方言に多く、薩隅方言は「子音で終わる語」(母音の脱落)を発達させるなど特殊化が進んでいる。 宮崎県南西部の諸県地方は薩摩藩の支配下にあったことから、薩隅方言圏であり、諸県弁と呼ばれる。ただし東諸県郡は、現在では宮崎弁化が進んでいる。鹿児島県の大部分が二型アクセントであるのに対し、宮崎県小林・都城から鹿児島県末吉・志布志にかけては統合一型式アクセント、宮崎県えびのは鹿児島同様二型アクセント、宮崎県北諸県郡と西諸県郡は無アクセントである。 このように薩隅方言の中での地域差も大きく、例えば薩摩地方の中でさえ、県境付近の北薩(出水市など)と薩摩半島末端の枕崎市や頴娃町などでは、同じ方言とは思えないほど語彙や言い回しに大きな差異がある。マスメディアが発達した現代でもこうした多様性は色濃く残っており、生粋の同県人同士でも言葉の取り違えが原因でトラブルが起こる事も多々あるという[要出典]。
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