草地 (植生)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/12/11 18:02 UTC 版)
草地(くさち、そうち)は、おもに草など、木以外の植物が生えている土地。草原がもっぱら大規模なものを指すのに対して、草地は比較的狭い範囲のものにも用いる表現である。草地では、草を刈って干し草を作ることもあれば、牛、羊、山羊といった家畜を放牧して草を食べさせることもある。
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農地としての草地
イギリスやアイルランドでは、草地を意味する言葉「meadow」の原義(古英語 mædwe)は、干し草を毎年刈る草地、すなわち「haymeadow」のことであった。これに対して、おもに放牧に用いられる土地は「pasture」と称され、草地(grass pasture)のほか、ヒース、ムーア、森林放牧地(wood pasture)が含まれる。「Grassland」という場合は、「meadow」と「grass pasture」の両方が含まれる。
農地としての草地では、多くの場合に各種の牧草が播種されるため、「meadow」は「牧草地」とも訳される。
遷移相としての草地
畑、牧草地、その他の農地、あるいは、他の何らかの理由でいったん切り開かれた土地も、耕作放棄されたり、放牧されなくなると、草が成長しすぎるようになり、植生の遷移相として草地が成立する。しかし、いったん草地が成立しても、その状態は長続きしない。やがて木本が見られるようになると、初期に草地へ進出した植物はその日陰になってしまい、勢いを失う。
ヨーロッパ人による植民以前の北アメリカでは、アルゴンキン語族(Algonquian)、イロコイ族、その他のアメリカ先住民たちは、定期的に森林の一部を切り開いて、遷移相としての草地を作り、餌を求めて鹿が集まるようにして、鹿狩りをした。各地に残る「ディアフィールド」(Deerfield)という地名は、先住民たちがかつてこうした狩りを通して土地管理(land management)を行っていた名残である。
恒久的な草地
木本の成長が、環境要因によって制約されるような状況の下では、恒久的な草地が成立する。例えば、以下のような要因により、木が育たず、草地が維持される。
- 高山ツンドラ(alpine tundra、alpine meadow) - 標高の高さ、厳しい気候条件。
- 沿岸草地、沿岸草原(Coastal meadows) - 海水のしぶきに含まれる塩分。
- 乾燥草地 - 降水が少ないため。
- プレーリー - 周期的に生じる深刻な旱魃と森林火災。
- 湿性草地(Wet meadow) - 湿地に準じ、一年中水に浸っている。
関連項目
- 海岸平野(Coastal plain) - 平野の分類
- 畑
- Flooded grasslands and savannas - 氾濫原の一種
- Flood-meadow - 氾濫原の一種
- 草原
- 沼
- パンパ
- 牧草地
- 平野
- 台地
- プレーリー
- 放牧地(Rangeland)
- サバナ (地理)
- Sods - ウェストバージニア州東部のアレゲーニー山脈に見られる山頂部に近い草地
- ステップ (植生)
- ツンドラ
- Water-meadow - 灌漑された草地
- 湿性草地(Wet meadow)
- Veld - 南アフリカ共和国ないしアフリカ南部の草原
参考文献
外部リンク
「草地 (植生)」の例文・使い方・用例・文例
- 草地にタンポポが点々と咲いていた
- 牛が牧草地で草を食べていた
- その農場には50ヘクタールの牧草地がある
- それが高山帯の草地に生える
- 私たちの子豚は緑の牧草地で育てられている。
- 牧草地ではたくさんのロングホーンが草を食んでいた。
- 昔家があった所は草地になっていた。
- どこまでも広がる牧草地を見かけた。
- 車は草地に飛び込み、しばらくガクンガクンと走って止まったのです。
- 羊が牧草地で草を食べている。
- 羊が牧草地で草をはんでいた。
- 乳牛が牧草地で草を食べているのが見えた。
- その小川は牧草地の中を曲がりくねって流れている。
- この草地には蛙がうようよいる。
- カウボーイが牛を牧草地へ追っていく。
- このさくは我々の牧草地共有権を侵害している.
- 草地にばったり倒れる.
- 牧草地には木立が点在していた.
- その小川は牧草地をくねくねと流れていた.
- 牧草地ではきれいな花が草の間から顔をのぞかせている.
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