航空戦力の消耗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/17 18:00 UTC 版)
第一航空戦隊が後退した後もラバウルの基地航空部隊には他方面から部隊が転用投入され、11月14日から17日の間に二八一空の零戦16機、五五二空の艦爆25機、五三一空の天山艦攻12機がそれぞれラバウル、カビエンに進出し、この結果航空兵力は、戦闘機66機、艦爆37機、艦攻22機 陸攻30機 夜間戦闘機2機、水偵15機、陸偵1機~2機の約170機となったが、同方面で活動する連合軍航空機の兵力のわずか一割にすぎなかった。そしてろ号作戦以降も、第六次に至るまでブーゲンビル島沖航空戦が実施された他、敵艦隊攻撃やタロキナ方面への航空撃滅戦、増援部隊の船団護衛などが続けられ、11月中の航空作戦を通じての零戦は損耗は63機に達し、日本軍の航空戦力は急激に消耗していった。 ろ号作戦で使用された第一航空戦隊の飛行機隊は本来母艦作戦が目的であったが、ラバウルを中心とする基地作戦に使われ壊滅した。この判断は現場の衝動的な面が大きく、「Z作戦」遂行の障害となった。もし、ろ号作戦が発動されなかった場合は、米主力艦隊のギルバート作戦開始に伴いZ作戦が決行され、日米両軍の艦隊決戦が展開された可能性もある。そうなった場合、米空母群を撃滅することは至難であったとしても、米空母群の攻撃能力はさほどでもないので、聯合艦隊は少なくとも悔いのない決戦が遂行し得たという見方もある。
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