自動車でのツインプラグ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 19:49 UTC 版)
「マグネトー」の記事における「自動車でのツインプラグ」の解説
詳細は「en:Dual ignition」を参照 いくつかの旧式の高級車には2本の点火プラグの内、片方はマグネトー式点火装置で点火され、もう片方はオルタネーターとバッテリーを主電源とするバッテリー式点火装置で点火される構成のツインプラグを持つものがあった。コスト増大を最小限に抑え、信頼性を損なわない手法が模索された結果、こうした方式が生み出された。一組のマグネトーと点火プラグで構成するよりは信頼性が高いと期待されたが、実際には現代ほど点火時期の制御が精確ではなかったため、マグネトー点火とバッテリー点火の点火時期がごく僅かにずれる不具合が発生しやすかった。この不具合は高回転時に特に問題になりやすく、航空エンジンとしては早期に廃れる原因となった。 自動車の場合はバッテリー点火装置が主体となって点火時期が決定され、マグネトー式点火装置はあくまでも補助的な位置付けであった。そのため、後にバッテリー式点火装置の制御技術が向上し、装置全体の性能が向上すると、ツインプラグ式のエンジンであってもマグネトーが点火システムの補助系統として搭載されることはほとんどなくなった。近代的な設計のエンジンは、これらのツインプラグシステムが用いられていた時代のエンジンよりもシリンダー容積が小さく、効率的な燃焼室とバルブ配置を持っている。こうした高効率のシリンダーヘッドは燃焼室の廃熱の効率化に寄与し、吸排気の流れがスワールや乱流を意図的に引き起こすように設計されているため、かつてのように、オクタン価の低いガソリンでも確実に動作することを目的としたツインプラグは必要とされなくなった。
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