自伝『あるアメリカ人の成り立ち』
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「ジェイコブ・リース」の記事における「自伝『あるアメリカ人の成り立ち』」の解説
1901年、セオドア・ルーズベルトが大統領になった1ヶ月後に、自伝『あるアメリカ人の成り立ち(The Making of an American)』が出版された。リース夫妻の出会いの場面に始まり、貧しい移民の若者でありながら苦労の末に成功し、恋を成就させて5人の子の父親となって、ホワイトハウスに出入りするに至る成功物語はアメリカ人の心を掴み、商業的に成功した。夫妻は一躍全国的な有名人となり、リースの著作の中でも『向こう半分の人々の暮らし』の次に有名な作品となった。 『向こう半分の人々の暮らし』やその他の本も批評家から賞賛を受けていた一方、自伝に関しては賛否両論があった。『ニューヨーク・タイムズ』のある批評家は「ごく身近で懇意な友人たち」のために書かれた虚栄の作品だと一蹴した。彼はリースの「粘り強い根性」と「断固とした楽観性」を高く評価していたが、「等量の虚栄と自惚れでできた、ほとんど巨大なエゴイズム」が著者の主たる特性であると払い除けた。その批評家は、自伝はリースの人生における「個人的かつ内面的な出来事に絶え間のない興味と渇望を抱いている大多数によって熱心に読まれる」ことになるだろうと予測している。リースはそのような批判を予期しており、「『向こう半分の人々の暮らし』の大きな売れ行きを十分に説明することは決してできなかった…トプシーのように、それは大きくなった」と述べている。 ただ、『ニューヨーク・トリビューン』など、そのほかの新聞は好意的な書評を出した。出版から2年後に別の批評家は、リースの物語は広く増刷され、彼が「最もよく知られた作家[の一人]で…アメリカで最も人気のある講師の一人」だということを知らしめた、と報じている。
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