脱線の分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 08:06 UTC 版)
乗り上がり脱線 - 車輪とレールとの間の横圧に対する摩擦係数が大きく、垂直力=輪重に比べて車輪を横に押し出す力が過大であるときに、フランジがレール上に登り上がる すべり上がり脱線 - 車輪とレール踏面やフランジとの間の摩擦係数が小さく、横圧によりフランジがレール上にすべり上がる とび上がり脱線 - 衝撃的な垂直力の減少や横方向の力の増加により、車輪がレール上にとび上がり、またはレールをとびこえる 競合脱線 - 車両や軌道に決定的な欠陥は見られないが、様々な要因が重なり(競合して)脱線に至るケース。競合脱線の名が広まる以前はせり上がり脱線とも呼ばれていた1963年(昭和38年)に発生した鶴見事故の原因とされ、狩勝実験線では実際に列車を脱線させ、原因解明のための試験が行われた。こうした動きから脱線事故は原因までもが注目されるようになり、1969年5月、6月の東海道本線だけでも3件が競合脱線として報道されている。2000年(平成12年)3月8日に発生した営団日比谷線中目黒駅構内列車脱線衝突事故に対しても、競合脱線と説明されることがある。なお、川島令三著書の「全国鉄道事情大研究 東京都心部篇」の「日比谷線脱線事故について」の頁によると「競合脱線とするのは原因不明と言っているに等しいと解説する技術者もいた」とあり、競合脱線については鉄道を知らない者は言うに及ばず、鉄道を知る技術者や有識者でも理解されていなかったり知らない者も多数存在している。 その他、夜間保線車両が入出区の際に使用する横取り装置(乗越分岐器で、分岐区間へ進入する際に使用される機材)の収納を失念し、始発列車が横取り装置に乗り上げ脱線事故に至ったなどのケースも存在する。
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