脱線の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/10 21:27 UTC 版)
日本では1963年(昭和38年)の鶴見事故を受けて日本国有鉄道(国鉄)により策定された総合安全基準の中で、脱線の形態が以下のように分類され、現在でも適用されている。 乗り上がり脱線 滑り上がり脱線 跳び上がり脱線 乗り上がり脱線と滑り上がり脱線は、車輪のフランジがレールと接触を保ったまま車輪がレールを転がり上がり脱線する形態で、両方を含有する呼び方として、せり上がり脱線という呼び方もある。 曲線などを通過するとき、右の図のように、輪軸の向きと輪軸進行方向の向きに角度γが生じる。この角度をアタック角という。乗り上がり脱線とは、車輪がレールへ接近する方向を向いた状態(右の図の右側車輪の状態)から、車輪がレールに乗り上げて脱線する現象を指す。3つの中で最も起こる可能性が高いのが乗り上がり脱線である。 一方、滑り上がり脱線とは、右の図の左側車輪のように、車輪がレールから離れる方向を向いた状態から、外力などがレール方向へ(図の場合は右へ)働き、車輪がレールに乗り上がり脱線する現象を指す。車輪がレールから離れようとしているが、それを超える大きな外力が働き脱線に至る形態で、乗り上がり脱線よりも発生しにくい。 輪軸のレールに対する左右方向速度が大きくなると、フランジはレールに衝突して車輪が跳び上がり、せり上がり脱線のような転がり上がる過程を経ずに、車輪がレールを乗り越え脱線する場合がある。このような脱線を跳び上がり脱線と呼ぶ。
※この「脱線の種類」の解説は、「脱線係数」の解説の一部です。
「脱線の種類」を含む「脱線係数」の記事については、「脱線係数」の概要を参照ください。
- 脱線の種類のページへのリンク