脱税の疑い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 07:49 UTC 版)
2021年11月29日、2018年と2020年の所得を隠し所得税5300万円を脱税したとして所得税法違反の疑いで東京地方検察庁特捜部に逮捕された。特捜部では日本大学医学部附属板橋病院の建て替え計画を巡る背任事件を捜査、その過程で田中が医療法人「錦秀会グループ」の前理事長から現金を受領した疑いが浮上していた。田中本人は特捜部の事情聴取に対し資金流出への関与や金銭の受領については否定していたものの、田中の自宅を複数回家宅捜索したところ現金1億円超が保管されていることが判明。大学の関係業者から受け取ったリベートの収入などを除いて税務申告し、所得隠し及び脱税したとして特捜部が摘発に踏み切ったものである。 この逮捕を受けて、12月1日に田中は理事長を辞任する意向を示し、同日開かれた臨時理事会でも了承され、加藤直人学長が理事長を兼務することになった。これにより5期13年に及ぶ田中の長期体制が終わることになる。なお、逮捕された当初、田中は辞任しない意向を示していたが、大学側から「これ以上抵抗すると大学の存続に関わる」と説得されたことで一転して辞任する意向を固めたものである。さらに、同月3日に開かれた定例理事会において田中に対する理事解任決議案が可決され、理事職も解任されている。同月15日には評議員職も解職、22日には校友会の会長職も解任の上に校友会から除名されており、これにより日大の全ての役職が解かれている。この他、2022年3月12日には日本相撲連盟の副会長も辞任している。 田中は当初、脱税容疑について否認していたが、その後容疑を認めた。東京国税局は同月17日に所得税法違反で田中を東京地検に告発、20日に東京地検特捜部が起訴し、田中は起訴内容を認めた。同月21日に東京地方裁判所により保釈が認められ、保釈保証金6000万円を現金納付し、逮捕から23日目で保釈された。また、28日付で修正申告を行っている。2022年2月15日に東京地裁で初公判が行われ、田中は「争う気は無い」と起訴事実を認めた。3月29日に野原俊郎裁判長から判決が言い渡され、懲役1年(執行猶予3年)と罰金1300万円(求刑懲役1年、罰金1600万円)の有罪判決が下った。
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