聖遺物と崇拝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/16 09:15 UTC 版)
アーサールは大別して「聖者の遺体の一部」と「聖者の使用した道具や衣類など」の二種類に分けられる。遺体の一部であるアーサールについては(カトリック教会の聖遺物のように)遺体そのものを指すものではなく、毛髪・ヒゲ・歯・爪・足跡など、生活の中で体から出た物が対象とされる。ムハンマドの時代には預言者の汗や唾液も重要視された。また、毛髪や爪などはイスラーム教徒のお守りや副葬品にも用いられた。これらのアーサールの中でも特にムハンマドの足跡はインドのイスラームにおいて盛んに崇拝されているが、これについてはイスラーム以前の古代仏教とヒンドゥー教の習慣を起源として結びつけた研究も存在する。 道具や衣類に関するアーサールには、道具として弓矢・刀剣・椀・沐浴容器、身に着けていたものとして外套・シャツ・下着・ターバン・履物(サンダル)・杖などが存在する。また、その他のアーサールとしては、聖戦に使われた軍旗と預言者の印章、預言者の手紙や啓示(クルアーン)を書きとめた鹿皮などがある。 アーサールはモスクや聖者廟(ダルガー(英語版))で保管され、常時または特別な機会に公開される。また、アーサールの為にモスクが建築される場合もある。これらのアーサールはトルコ、インド、パキスタンを中心に保管されており、最も多く保管されているのはトルコのトプカプ宮殿とされる。
※この「聖遺物と崇拝」の解説は、「アーサール」の解説の一部です。
「聖遺物と崇拝」を含む「アーサール」の記事については、「アーサール」の概要を参照ください。
- 聖遺物と崇拝のページへのリンク