聖公会の牧師
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/18 14:11 UTC 版)
聖公会では、各個教会を司牧する責任者を牧師(Rector, Vicar)と呼ぶ。従って、牧師は役職名であり、聖職者の職位として司祭以上の聖職按手を受けた者がこれに就任する。カトリック教会の主任司祭がこれに対応する。主教が牧師となる場合もあるが、主教職は多忙のため、主教座聖堂であっても主教が牧師であるとは限らず、その主教の下の司祭が牧師であることが多い。肩書きとしては、「○○教会牧師 司祭 教名 姓・名」と表記する。聖公会では女性も聖職者に按手・叙任されうるので、女性牧師もいる(女性聖職者の任職や按手・叙任を行っていない管区・教区もある)。 一人の司祭(または主教)が複数の個教会の司牧を兼任する場合もあり、主として司牧する教会以外の教会を補欠的に司牧する者は「管理牧師」と呼ばれる。また、1つの教会に複数の司牧者がいる場合もあり、主席司牧者以外の補助的司牧者は「副牧師」と呼ばれる。 聖職者(主教・司祭・執事)の按手・叙任は「聖奠的諸式」(Sacramental Rites)すなわち聖奠(サクラメント)に準ずる神秘的儀礼とされ、「魂の刻印」と見なされるため、教会での教導職を退いたのちも、原則的に逝去するまでその地位は保たれる。それに対して、「牧師」はあくまで役職であるため、任が解かれたら牧師ではなくなる。 このように、聖公会における「牧師」はプロテスタント用語の牧師(Pastor)とは本質的に意味合いが異なり、呼称としても「牧師」と呼ぶケースは少ない。多くの教会では「司祭」あるいは「先生」と呼ぶ。また、司祭に対する敬称として「神父」と呼ぶ場合も稀にある。 なお、同じ漢字文化圏でも、韓国の大韓聖公会では「牧師(목사)」という語は用いられない。 「司祭#聖公会」および「神父#聖公会」も参照
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