翔鶴運用長
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/16 08:08 UTC 版)
福地は「翔鶴」運用長として、その被害を局限したことで知られる。日本海軍の空母は爆撃に対する抵抗力が弱く、ミッドウェー海戦においてその弱点を露呈したが、「翔鶴」は同海戦に先立って米爆撃機により被弾した。珊瑚海海戦は世界初の空母同士の洋上対決で、「翔鶴」は三発被弾したが、福地の防火指揮は適切であった。その働きは獅子奮迅と称えられる。有馬正文は艦長就任後に福地に防火防水について学び、可燃物撤去、不要な爆弾の弾庫への収納、甲板に消火用ホースの準備などを行っている。福地は応急指揮官として連合艦隊司令部の注目を集め、出撃前日のミッドウェー攻撃部隊の准士官以上の前で講演を行った。珊瑚海海戦における空母「翔鶴」の爆弾命中、火災発生に対して、応急指揮官として執りたる処置及びその戦訓と題したこの講演は、空母艦内に飛行機がある状態で被弾した場合、1発で消火は困難であり、沈没は必至であるというものであった。しかしこの講演中、主要指揮官幕僚は図上演習中で不在であり、講演の要点は伝わらずに終わる。福地はミッドウェー海戦の敗北に痛恨の思いを抱いていた。
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