綿実油
主として圧抽法により採取される半乾性油である。綿の主産地はアメリカで、ロシア・中国、インド、中南アメリカ・東南アジア・アフリカの諸国でも産する。わが国で処理される製油原料は、主として米国から輸入していた が、最近はほとんど半精製油として輸入している。原油は有毒色素ゴシポールや遊離脂肪酸・リン脂質を多く含むため、大量のアルカリを用い脱酸するので他の植物性油脂にくらべて精製損失が多く、また淡色の油が得がたい。これらの問題を解決するため、最近ミセラ精製も一部で行われるようになった。 沃素価102~120、鹸化価190~197、屈折率n1.470~1.472、比重d0.916~0.922、不鹸化物1.5%以下、脂肪酸組成ミリスチン酸0~3%、パルミチン酸20~30%、パルミトオレイン酸0~2%、ステアリン酸1~3%、オレイン酸15~20%、リノール酸50~60%である。綿実油は風味がよく、酸化安定性も比較的よいので、主としてサラダ油、フライ油として使用されるが、この場合には脱ろうを行って固体脂を除去しなければならない。脱ろうで得られた固体脂は綿実ステアリンとよばれ、マーガリン・ショートニングの原料になる。 |
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