絶対に修正不可能な条項
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 00:43 UTC 版)
「コンスティチューション (法学)」の記事における「絶対に修正不可能な条項」の解説
最も強力なエントレンチメントは、一部のコンスティチューションにおいて、その最も基本的な原則は絶対的であると宣言されている箇所である。すなわち、いくつかの条項が、いかなる状況でも改定され得ない。コンスティチューションの改正が、絶対的に修正不可能な点を破り、それ以外ではコンスティチューションに対する違反がない場合、そのような改正は、コンスティチューションに反するコンスティチューションの法、と言えるだろう。究極的には、内部あるいは外部の力によりコンスティチューションが転覆廃止されることは、常にあり得る。例えば革命(おそらく革命権で正当化されていると主張する)や、侵略の場合である。 インドのコンスティチューションでは、インドの最高裁判所はKesavananda Bharti's case (1973)において、基本構造の宣言(ドクトリン)を作成した。その宣言では、その基本構造の本質的な特徴は、議会により改正され得ない、としている。インドの最高裁判所は、司法審査、司法の独立、自由で公正な選挙、基本的な権利の中核を、改正され得ない本質的な特徴とした。しかし、絶対的な保護の対象となる具体的な規定条項を、特定しなかった。Professor M.K. BhandariによるBasic Structure of Indian Constitution - A Critical Reconsiderationは、この宣言を分析して酷評している。絶対的に修正不可能である例として、ドイツ連邦共和国基本法がある。その条項1から20は、人の尊厳、人権、民主主義、法の支配、連邦および社会主義国家の原理、抵抗権(コンスティチューションの秩序を廃止しようとする企てに対する最後の手段としての)を保護する。79条3節は、これらの原則は変更不可能であり、規定されている改正手続きによっても改正できないとしている。新しいコンスティチューションが使われない限りは、不変である。 他の国では、ホンジュラスのコンスティチューションに例がある。その中には、ある条項自身といくつかの他の条項について、いかなる状況でも変更できないと定めた条項がある。すなわち、374条において、修正不可能であることが断言されている、次のような内容である。「いかなる場合も、この前の条項、この条項、コンスティチューションに関する次のような条項は改正できない。政府の形態、国の領土、大統領の任期、共和国の大統領として再任されることの禁止、市民が務めた後それに続く期間には共和国の大統領に成り得ないような全ての肩書きに関するもの。」この修正不可能性は、2009年の2009 Honduran constitutional crisisの際に、重要な役割を果たした。
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