絵画理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/21 06:23 UTC 版)
ドニは、最も早く絵画の平面性に注目した画家の1人である。このことは、モダニスムの出発点であるともいえる。 1890年に発表した『新伝統主義の定義』という論文で、「絵画が、軍馬や裸婦や何らかの逸話である以前に、本質的に、ある順序で集められた色彩で覆われた平坦な表面であることを、思い起こすべきである」という有名な言葉を残している。この絵画における平面性の追求はポンタヴェンで共に過ごしたゴーガンの綜合主義やセリジュエの抽象画からの影響がある一方で、ドニもその平面性を装飾性へと発展させていった。 1898年、ドニは芸術の源泉は画家の個性にあるという制作の理論を発表した。「芸術作品を創造するものは、画家の力であり、意思である。」と言っている。 第1次世界大戦後の1919年にドニはジョルジュ・デヴァリエール(英語版)とともに、教会と近代文明とを和解させるという潮流の一環として、宗教美術アトリエを結成した。このアトリエでは、特に戦争で破壊された教会のために制作を行った。ドニはアカデミズムについて、しきたりと小手先の技術のために情感を犠牲にするものであるからこれに反対すると言い、また、写実主義については散文であって、「彼の求める音楽がないからこれにも反対する」と言った。何よりも、ドニは神性に付属するものとしての美を追求した。
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