結晶構造因子とは? わかりやすく解説

結晶構造因子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/02 21:24 UTC 版)

運動学的回折理論」の記事における「結晶構造因子」の解説

結晶による電子散乱では、V(r)結晶による相互作用ポテンシャル置き換えればよい。結晶における V(r)次のような並進対称性を持つ。 V ( r ) = V ( r + n 1 a 1 + n 2 a 2 + n 3 a 3 ) {\displaystyle V(\mathbf {r} )=V(\mathbf {r} +n_{1}\mathbf {a} _{1}+n_{2}\mathbf {a} _{2}+n_{3}\mathbf {a} _{3})} ここで次式で定義される結晶構造因子を導入する。 F = − m 2 π ℏ 2 ∫ u n i t   c e l l V ( r ) e i K ⋅ r d r {\displaystyle F=-{\frac {m}{2\pi \hbar ^{2}}}\int _{\mathrm {unit\ cell} }V(\mathbf {r} )e^{i\mathbf {K} \cdot \mathbf {r} }d\mathbf {r} } すると結晶による散乱強度回折強度)は結晶構造因子の絶対値2乗比例することがわかる。 I c r y s t a l ( θ , ϕ ) = | F | 2 ∏ i = 1 3 sin 2 ⁡ ( N i Ka i / 2 ) sin 2 ⁡ ( K ⋅ a i / 2 ) {\displaystyle I_{\mathrm {crystal} }(\theta ,\phi )=|F|^{2}\prod _{i=1}^{3}{\frac {\sin ^{2}(N_{i}\mathbf {K} \cdot \mathbf {a} _{i}/2)}{\sin ^{2}(\mathbf {K} \cdot \mathbf {a} _{i}/2)}}} つまり結晶全体の構造因子は、単位格子内の基本構造干渉を表す結晶構造因子と、格子による干渉を表す関数(平行6面体場合ラウエ関数回折条件についての情報を含む)との積で表される

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結晶構造因子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 13:57 UTC 版)

X線回折」の記事における「結晶構造因子」の解説

結晶においても同様の式が成立する。ここで、結晶中の電子密度はその各原子電子密度の和で近似できるとする。位置ベクトルri位置にある原子原子散乱因子fi使って結晶散乱因子Fは F = ∑ i f i e 2 π i r i ⋅ Δ k {\displaystyle F=\sum _{i}f_{i}e^{2\pi i\mathbf {r_{i}} \cdot \Delta \mathbf {k} }} と書き換えられる。これのFを結晶構造因子という。結晶構造因子は一般的に複素数となる。 X線散乱強度は結晶構造因子の絶対値2乗比例する結晶によるX線積分回折強度I = I e L | F | 2 N 2 {\displaystyle I=I_{e}L|F|^{2}N^{2}} で表されるI e {\displaystyle I_{e}} は1個の電子散乱強度、Nは結晶中の単位胞の数、Lは実験条件依存する係数で、吸収因子を含むものとする結晶構造解析測定したX線散乱強度から結晶構造因子を求め、さらにそこから結晶構成する原子同定する作業である。

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