組換えキモシン
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レンネットに含まれるキモシンは、チーズの製造に必要な酵素である。キモシンは遺伝子操作が行われた食品添加物として初めて商業的に利用された。伝統的に、加工業者は哺乳期間中の仔牛の第4胃から調製したレンネットからキモシンを得ていた。科学者は実験室での大規模な酵素生産を行うために大腸菌Escherichia coliの非病原性株(K-12)を操作した。この微生物によって産生された組換え酵素は、仔牛由来の酵素と構造的に同一であり、低コストで大量に生産を行うことができた。今日アメリカ合衆国のハードチーズの約60%は遺伝子組換えキモシンを用いて製造されている。1990年、FDAは酵素の安全性を示すデータに基づいてキモシンを「一般に安全と認められる」と評価した。
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組換えキモシン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/23 16:35 UTC 版)
微生物や動物由来のレンネットは不完全であり希少でもあったため、チーズの生産者は代替物を探していた。遺伝子工学が発展するにつれて、動物の胃からレンネットを産生する遺伝子を抽出し、それらを特定の細菌、菌類や酵母へ挿入することで発酵によってキモシンを生産することが可能となった。遺伝子組換え生物は発酵後に取り除かれること、キモシンは発酵培地から単離されることから、発酵法で生産されたキモシン(fermentation-produced chymosin、FPC)にはいかなる遺伝子組換えに由来する要素や成分も含まれていない。FPCは動物由来のキモシンと同一であり、より効率的に生産される。FPC製品は1990年以降市場に出回っており、理想的な凝乳酵素であると見なされている。 FPCはアメリカ食品医薬品局(FDA)による登録と認可が行われた、最初の人工的に生産された酵素である。1999年時点ではアメリカ合衆国のハードチーズの約60%がFPCを用いて製造されており、世界的なレンネット市場で最大80%を占めている。 2008年までに、アメリカ合衆国とイギリスでは商業的に生産されているチーズの約80%から90%がFPCを用いて製造されるようになっている。最も広く利用されているFPCはA. nigerまたはK. lactisを用いて生産されたものである。 FPCはキモシンBのみを成分として含むため、動物由来のレンネットと比較して高い純度が得られている。動物や微生物由来のレンネットと比較して、FPCはより高い収率で、よりキメが細かく苦みの少ないカードを製造することができる。
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