組換えカノーラもしくはその後代の自生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 16:18 UTC 版)
「遺伝子組み換え作物」の記事における「組換えカノーラもしくはその後代の自生」の解説
カノーラの輸入港の近辺や菜種油工場の近辺、更にそこに至る沿道では遺伝子組換えカノーラの自生が確認されている。2015年度(平成27年度)の調査では、ナタネ類の日本の輸入港18港のうち、10港の周辺で組換え遺伝子を持つものが、ナタネ類1215個体中から130個体見つかった。その調査においては、カラシナ又は在来ナタネと遺伝子組換えカノーラとの交雑体は発見されなかった。 その他のアブラナ属作物との交配に関しては、栽培されている作物は雑種第一代であり、その他、品種の純粋性を保つために、種子を栽培農家が毎年購入しているので、アブラナ属作物に遺伝子組換え品種の形質が導入される可能性は低い。なお、現在、輸入されているカノーラの種はBrassica napus(セイヨウアブラナ)であり、複二倍体の種であるためそのゲノム構成はAACC (2n = 38)である。日本で栽培されている多くのアブラナ属作物はBrassica rapa(ゲノム構成: AA, 2n = 20)かB. oleracea(ゲノム構成: CC, 2n = 18)かB. juncea(ゲノム構成: AABB, 2n = 4x = 36)であり、カノーラとの交雑も報告されているが、同種間に比べ交雑と発芽の可能性は低く、また交雑したものの稔性も低い。しかし、野生化しているB. rapaと遺伝子組換えカノーラとの交雑した植物体(ゲノム構成: AAC, 2n = 3x = 29)の自生も確認されている。なお、日本で栽培されているB. napusはセイヨウアブラナ、芯摘菜、かぶれ菜、のらぼう菜、三重なばな、などである。
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