組換えダイズとツルマメの交雑頻度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 16:18 UTC 版)
「遺伝子組み換え作物」の記事における「組換えダイズとツルマメの交雑頻度」の解説
ダイズ(Glycine max)の原種であるツルマメ(G. soja)は、日本を含む東アジアやシベリアで自生している。ツルマメもダイズも閉花受粉による自家受粉性の強い植物であるが、ツルマメとダイズは交雑可能である。そのため、組換えダイズを東アジアで栽培すると導入遺伝子がツルマメに拡散する可能性が指摘された。そこで、どの程度の交雑頻度であるのかを調べる定量分析が行われた。ダイズとツルマメが絡みつくくらいに混植した混植区と2 m, 4 m, 6 m, 8 m, 10 m離して植えた距離区が設定、供試された。また、花期の異なる組換えダイズ品種を複数種類用いると共に、播種時期をずらして、できるだけツルマメと組換えダイズの花期を合わせるようにした。そしてツルマメに結実した種子のみを回収して解析した。その結果、混植区では、25,741個体中、交雑個体は35個体であり、また、距離区(66,671個体)においても、遺伝子組換えダイズから2 m、4 m、6 mの距離区での交雑個体はそれぞれ1個体、8 m、10 mの距離区では交雑個体は認められないという結果になった。このことから、意図的に交雑頻度を上げるような操作を行っても、組換えダイズとツルマメの交雑は極めて低頻度であることがわかり、通常の栽培条件では更に低頻度になることが予想された。
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