終夜バスへの試みと挫折
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 21:25 UTC 版)
「日本の深夜バス」の記事における「終夜バスへの試みと挫折」の解説
1980年代後半には、日本国外においてバスが終夜運行されている事例を鑑みて、「終夜バス」と称して都心と郊外の団地を直結するバス運行についても推進する動きを見せた。これは鉄道の最終列車よりも遅く都心部を出発して、比較的長距離の郊外へ運行されるものであった。 当初、南海電気鉄道(当時、現在の南海バス)が試験的に難波から泉佐野・光明池・河内長野へのバスを運行する動きもあったが、東京急行電鉄(当時、現在の東急バス)が、1987年に渋谷から青葉台までの区間で運行を開始した「ミッドナイトアロー」が、日本で初めてとなる深夜急行バスである。その後各事業者で運行が開始され、1990年頃には比較的短い距離で深夜中距離バスの運行も開始される例もあり、1991年には日本全国で30路線ほどの深夜急行バスが設定された。 しかし、行政側では運行に向けた音頭はとったものの、現実の運行はバス事業者の経営に依存するものであった。このため、バブル景気の崩壊や不況、さらに最終列車の延長なども行なわれたことから、深夜急行バスの利用者数は減少した。深夜時間帯だけに人件費コストが無視できず、経路変更や運行区間の見直しも行なわれたが、それでも半数以上の深夜急行バスが廃止・統合されることになった。 2013年12月20日から週末(金曜日)限定で、東京都交通局が「渋谷駅 - 六本木駅」間で、深夜から早朝の時間帯で1時間に1本の終夜バス「深夜01」系統の試験運行を開始した。当初は2014年12月までの予定であったが、利用が低迷し、同年10月31日で運行が終了、終夜バス実現へ向けた取り組みは挫折することとなった。
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