糖尿病性自律神経障害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/29 21:21 UTC 版)
「糖尿病性神経障害」の記事における「糖尿病性自律神経障害」の解説
糖尿病性自律神経障害(diabetic autonomic neuropathy)は無自覚に潜在的に進行していくことから、患者自身が症状を訴えた時点では相当症状が進行していることが多い。診断では自律神経障害の原因となる他の疾患(多系統萎縮症やアミロイドーシス、傍腫瘍性神経症候群など)の合併を除外する必要がある。このため、家族歴、既往歴、薬物使用歴をふくむ注意深い問診、臨床徴候の把握および理学的検査が必要である。特に循環器系の障害が突然死のリスクがあり重要である。それ以外の循環器系の障害としては安静時頻脈、運動不耐性(運動時に心拍や血圧低下)、起立性低血圧などが知られている。病態は糖尿病性多発神経障害と同様と考えられている。 系統障害症状循環器系起立性低血圧 QOLの低下、失神、網膜症や腎症の進展 無痛性心筋梗塞 心不全、突然死 心拍変動障害 安静時頻脈、不整脈、突然死 血圧日内変動障害 夜間高血圧、心臓肥大、腎障害 血管交感神経障害 インスリン浮腫、中膜石灰化、神経性骨関節障害(シャルコー関節) 皮膚血流障害 動静脈吻合、静脈怒張 消化器系食道・胃アトニー 嚥下障害、血糖コントロール悪化、低血糖 胆嚢アトニー 胆石症 糖尿病性下痢 QOLの低下、起立性低血圧 肛門アトニー、便秘 便失禁、QOL低下 泌尿器・生殖器系弛緩性膀胱 尿路感染症、腎障害、尿失禁 勃起障害、逆行性射精 QOL低下、うつ状態、不妊 その他無自覚低血糖 血糖コントロール悪化、事故、突然死 発汗低下 易感染性、皮膚・足病変、壊疽 瞳孔障害 縮瞳、視力障害
※この「糖尿病性自律神経障害」の解説は、「糖尿病性神経障害」の解説の一部です。
「糖尿病性自律神経障害」を含む「糖尿病性神経障害」の記事については、「糖尿病性神経障害」の概要を参照ください。
- 糖尿病性自律神経障害のページへのリンク