第317.9任務群の編成と事前偵察
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「フォークランド紛争」の記事における「第317.9任務群の編成と事前偵察」の解説
4月7日にはサウス・ジョージア島奪回のための部隊として、フリゲート「プリマス」と駆逐艦「アントリム」およびタイド型給油艦「タイドスプリング」によって第317.9任務群が編成され、のちにサウスジョージア島近海で氷海警備船「エンデュアランス」が合流、更に4月24日にフリゲート「ブリリアント」が合流した。上陸部隊は第42コマンドーのM中隊が割り当てられ、後に陸軍特殊空挺部隊(SAS)のD中隊と海兵隊特殊舟艇部隊(SBS)の1個分隊も追加された。作戦は「パラケット作戦」(Operation Paraquet)と名付けられたが、作戦参加者は、わざと文字を1字だけ変えて「パラコート(Paraquat)作戦」と呼んだ。これらの任務群を掩護するため、4月20日から25日の間、サウスジョージア島からアルゼンチン本土の沿岸までを、空軍のニムロッド哨戒機が哨戒したほか、原子力潜水艦「コンカラー」もサウスジョージア島沖を哨戒していた。 本隊の上陸に先立ち、まずSASがリースを、SBSがグリトビケンを偵察することになっていた。4月21日12時、リースを偵察するSAS分隊は、周囲の忠告を押し切って「アントリム」と「タイドスプリング」の艦載ヘリコプターによってフォーチュナ氷河に降下したが、おそるべき悪天と氷河の状態のために5時間弱をかけて500メートルしか進めず、4月22日10時に救出を要請した。ホワイトアウトの状態が続き、まず隊員の発見に難渋した上に、救出作業中に2機が墜落してしまった。幸い死者も重傷者もなく、残る1機は一度艦に戻って隊員を降ろしたのち、残されていた隊員と乗員を救出しようとしたが天候不良で二度も引き返し、三度目の挑戦でようやく救助に成功、1トン以上の過荷重状態で無事帰還した。またSBSのグリトビケン偵察も、強力な向かい風と、吹き寄せられた氷山によって阻まれ、失敗した。 4月23日には、SASの偵察隊員が、今度はボートによってストロームネス湾に潜入しようとしたが、極寒の環境で船外機がうまく動かず、5隻中目標に達したのは3隻のみで、1隻は外海に吹き出されてしまったところをヘリコプターで救出され、もう1隻は別の場所に吹き寄せられたのち3日後に救出された。しかし残る隊員は偵察活動を完遂した。
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