第1巻「三だいの機関車」
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「汽車のえほん」の記事における「第1巻「三だいの機関車」」の解説
「三だいの機関車」を参照 1942年、ウィルバート・オードリー牧師は、息子クリストファーがはしかにかかっていたとき、ある機関車の物語の詩を語り聞かせた。その内、特にクリストファーが好きだった詩は次のようなものである。 Early in the morning, Down at the station, All the little engines Standing in a row. Along comes the driver, Pulls a little lever Puff puff, chuff chuff, Off we go! クリストファーはその詩の細部についてオードリーに質問し、オードリーはその答えを最初の短編「エドワードのたのしい一日」の創造につなげていった。 続いてエドワードに関する別の物語「いばりんぼうのゴードン」を創作した。この物語には、当時クリストファーと同じ道路に住んでいた、かなりわがままな子供にちなんで命名した大きな機関車ゴードンが登場、エドワードとともに活躍した。そして第3話「なさけないヘンリー」は、次の五行俗謡から創作された。 Once an engine attached to a train Was afraid of a few drops of rain. It went into a tunnel And squeaked through its funnel And never came out again. これは19世紀、イギリスのある鉄道でアメリカ製の機関車がトンネル内で故障し、そのまま放置されたという出来事に由来したものである。この物語には「ふとっちょの重役」が初めて登場した。 オードリーは妻マーガレットに薦められ、1943年に児童図書出版社のエドモンド・ウォード社に出版を持ち込んだ。出版社はヘンリーを救出する4番目の話を書くようにアドバイスしたのに加え、オードリーが3両の機関車が同じ鉄道会社で働いているのを意図していなかったのを「ふとっちょの重役」の鉄道会社でひとつの舞台にまとめるようにも促した。これに対してオードリーは「なかよしになった三だい」という話で要求に応じ、ヘンリーを救出し復権させ、3台が仲良くなる物語を創作した。こうして第1巻「三だいの機関車」がウィリアム・ミドルトン (William Middleton) の挿絵で1945年に出版された。ミドルトンの挿絵は機関車の描写が稚拙で、オードリーは非常に不満を抱いていた。
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