第1巻 「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」
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「まおゆう魔王勇者」の記事における「第1巻 「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」」の解説
人間と魔族が長く戦争を続けている世界……。強大な力を持つ「勇者」は、魔王を倒して人間世界を救うべく魔王の城に乗り込んだ。だが、そこで彼を待っていたのは、人間の女性そっくりの「魔王」であった。 彼女は勇者と戦おうとはせず、勇者に自分のものとなるよう契約を求めてきた。あくまで魔王と戦おうとする勇者に、魔王は冷静に人魔間の状況を語り、現在の社会秩序や経済活動が戦争に依存しており、魔王を倒しても根本的解決にならないことを説く。彼女の願いが終戦による破局でも戦争の引き伸ばしでもない、争いや飢えのない新たな可能性であること、そのために勇者の協力を求めていることを理解した勇者は、彼女の契約を受け入れる。 ふたりは「紅の学士」「白の剣士」と身分を偽り、「丘の向こう」を目指して改革に着手する。馬鈴薯の栽培にはじまり四回転式の畑の利用法、風車による灌漑など、冬の国はみるみる国力を高めていった。また、極光島奪還など、軍事面でも目覚ましい活躍を見せる。 しかし、それを快く思わない国もある。聖王国を始めとする中央諸国だ。南部諸王国をいつまでも中央の鎖につないでおきたい勢力は、紅の学士を異端であるとして処断しようとした。折悪く、紅の学士(魔王)は歴代魔王の霊を鎮めるために魔界へと赴いており、メイド姉が代理を務める。その異端告発の壇上で、メイド姉は「精霊さまがくだされた自由を手放すな」と訴える。
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