第一次世界大戦時の徴兵と動員
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 01:36 UTC 版)
「動員」の記事における「第一次世界大戦時の徴兵と動員」の解説
英米は第一次世界大戦当時、徴兵制そのものを保有していなかった。アメリカはモンロー主義によって紛争にできる限り首を突っ込まない政策をとっていたし、イギリスはその巨大な海軍によって本土の防備が可能だったからである。このように、島国は敵の陸軍が開戦と同時に本土にやってくることはないので、戦争が始まってから志願を募り、訓練をする時間がある。 当然ながら、数年しか軍役を受けていない人々を動員することによって充足できるのは歩兵だけであり、専門的な知識や熟練した技術を要する砲兵や騎兵、海軍(及び、当時は存在しない空軍パイロットや戦車兵)を充足するのは不可能である。これらは平時から猛訓練によって各兵器を手足のように扱える職業軍人が扱っていた。 すなわち、平時から巨大な海軍(=職業軍人部隊)を維持し本国を守ることができる大英帝国は徴兵によって防御のための陸軍である徴兵制度を整える必要がなかったと言える。しかし、イギリスは参戦直後作り上げたキッチナー陸軍という巨大志願兵部隊の損耗と共に、アメリカは参戦後に、両国共に部分的にしろ徴兵制を1917年から導入せざるを得なくなった。
※この「第一次世界大戦時の徴兵と動員」の解説は、「動員」の解説の一部です。
「第一次世界大戦時の徴兵と動員」を含む「動員」の記事については、「動員」の概要を参照ください。
- 第一次世界大戦時の徴兵と動員のページへのリンク