種子からの発芽と実生苗の生長、越年根茎からの発芽と栄養繁殖、小 - 中群落の形成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 01:15 UTC 版)
「ケナシチャンパギク」の記事における「種子からの発芽と実生苗の生長、越年根茎からの発芽と栄養繁殖、小 - 中群落の形成」の解説
種子は長期間休眠の性質を持ち、周囲の環境が変化して、他の植物が崩落や伐採除草などでなくなり、裸地状態となって、陽光が強く照射される環境が整うと、一勢に種子の休眠打破が行われ発芽する。パイオニアプランツといわれる先駆植物である。このときの実生苗は、種子がいわゆるケシ粒であるために、非常に小さい。糸状の4 - 5mmの高さの茎に、3mm長で幅1mmくらいの長楕円形の双葉を出し、糸状の葉柄を持つ星形の本葉を出してくる。根も最初は糸状で、長さは4mmくらいである。生長するにしたがって、本葉の鋸歯が増えていき、大きくなってくると、切れ込みと鋸歯が別れてくる。半月くらいで、菊状の鋸歯がはっきりとしてくる。生長が早いため、すぐにふだん目にするタケニグサ属の植物の形状に育つ。生育して無限円錐花序を形成し花を咲かせて実を結び、1年を過ごし終えて晩秋には、地上部は枯死し地下に残る根茎は休眠する。真冬の寒さで休眠打破されたあと、春の気温で地下の根茎から発芽するが、種子からではないために本葉での発芽となる。根茎はふたたび生長を開始するので、このときにアルカロイドのサンギナリンを生成する紅赤色の年輪状の輪を生ずる。木本植物との違いは、根茎を掘り出したときに、この輪の部分で割れ、剥がれ落ちやすい特徴も併せ持つ。また、葉の特徴の一つに、初年の株の本葉の鋸歯はやや粗い。同じことを数年間繰り返すと、根茎と発芽時の芽や茎の太さは太くなっていき、発芽時の本葉の鋸歯も、最初から細かくできているものを、初めから出すようになってくる。種子が丁度生育環境に適した陽光地に落ちた場合、休眠には入らずに発芽をし、その翌年には根茎から、2つ以上の芽を出す栄養繁殖も行うようになる。この性質でしばしば小 - 中群落を形成する。
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