私鉄の石炭車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/24 16:17 UTC 版)
北海道や九州の産炭地では、炭鉱所有企業が炭鉱と国鉄線を結ぶ鉄道を引くことが一般的であった。距離が短い場合は専用側線とした場合もあるが、多くの炭鉱では国鉄線と炭鉱の間に距離があり専用鉄道(本格的に旅客輸送を行った鉄道は地方鉄道)として、独立した鉄道として運営されていた。このような炭鉱の石炭輸送を目的とした専用鉄道・地方鉄道を、「炭鉱鉄道」と呼ぶことがある。製品出荷に使用する石炭車は国鉄の車両を使用したが、一部の鉄道では自社線内で完結する石炭輸送用に独自の石炭車を持つ場合もあった。 三井三池鉄道セナ1形 九州の大牟田市・荒尾市にあった三井三池炭鉱の専用鉄道(通称・三池鉄道)では、自社線内用(炭鉱-九州電力)に2軸の石炭車を石炭輸送用として使用していた。初期は木造の小型車であったが、その代替として国鉄セラ1型を譲受して使用した。なお、系列の三井セメントが使用していたホラ1型もほぼ同型のため譲り受け、同系列に組み込んでいる。三池炭鉱の閉山とともに廃車となっている。 太平洋石炭販売輸送セキ6000形 北海道の釧路市にある太平洋炭礦(現釧路コールマイン)で採れる石炭を、釧路港知人埠頭まで運ぶ鉄道で運用されていた石炭車。2両1セットで連接構造を持つ特異な構造をしている。最後の炭鉱鉄道に残る最後の石炭車だったが、先述の通り2019年(平成31年)3月をもって釧路港における石炭輸送が廃止されたため、本車も廃車となった。
※この「私鉄の石炭車」の解説は、「石炭車」の解説の一部です。
「私鉄の石炭車」を含む「石炭車」の記事については、「石炭車」の概要を参照ください。
- 私鉄の石炭車のページへのリンク