神話の位置にある世界観
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 03:28 UTC 版)
「トマスによる福音書」の記事における「神話の位置にある世界観」の解説
訳者によれば、グノーシス主義は、至高神の本質(霊魂)が、宇宙や世界を貫いて人間の中にも宿されているとする。しかし人間は自らの本質である本来的な自分について無知の状態に置かれていて、本当の自分と身体的な自分とを取り違えている。人間は救済者に学ぶことにより、人間の本質と至高神とが同一の存在であることを体得し、認識したときに、神との合一による救済にいたれるとするものであるとされている。また、グノーシス派とされる記述に関しては、神話論がはっきりしていない場合は、ギリシャ哲学や、オリエントの諸宗教、あるいはナザレのイエスの自己認識(マルコ7-20にある悟り)等のいずれかに、つながっていると考えることが出来る。 以下はそうした世界観や人間観が顕れている箇所である。 11、この天は過ぎ去るであろう。そして、その上の天も過ぎ去るであろう。そして、死人たちは生きないであろう。そして、生ける者たちは死なないであろう。 108、私の口から飲む者は私のようになるであろう。 そして、私もまたその者になるであろう。そして、隠されていたものがその者に現われるであろう。 13、 私はあなたの先生ではない。 77、木を割りなさい。私はそこにいる。石を持ち上げなさい。そうすればあなたがたは、私をそこに見出すであろう 15、もしあなたが女から産まれなかった者を見たら、ひれ伏しなさい。彼を拝みなさい。その者こそ、あなた方の父である。 17、私はあなたがたに、目がまだ見ず、耳がまだ聞かず、手がまだ触れず、人の心に思い浮かびもしなかったことを、与えるであろう。 あなたがたが、二つのものを一つにし、内を外のように、外を内のように、上を下のようにするとき、・・・・そのときにあなた方は入るであろう。 29、いかにしてこの大いなる富(本来的自己)がこの貧困(身体と霊)の中に住んだのかを不思議に思う。(56もある) 42、過ぎ去りゆくものとなりなさい。 114、自分を、活ける霊にするならば、天国に入るであろう。 45、彼は、心からあふれ出るものから、悪いものを取り出すからである。 49、人は父の王国から生まれてきており、再び父の王国に行くであろう。
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