神官エンヘドゥアンナ
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「アッカド帝国」の記事における「神官エンヘドゥアンナ」の解説
帝国時代においてはシュメール文学も大いに発展した。サルゴンの娘であり、シンの妻 エンヘドゥアンナ(前2285〜2250)は名前の知られている歴史上最初の詩人である。女神イナンナへの聖歌を含む彼女の作品としては「快哉のイナンナ」「In-nin sa-gur-ra」が知られている。また、聖歌集「神殿聖歌」は聖なる神殿と捧心されたその主についての教誨をしている。この詩歌の作品は、それらが三人称を用いながら始まったがやがて一人称へと移り変わり、楔形文字の発達を示している点で重要である。詩人として、皇女として、そして神官として、William W Halloによれば、彼女は「その後何世紀にもわたって彼女の3つの役割すべての基準を定めた」人物だとしている。 「快哉のイナンナ」についてBinkleyは以下のように述べている: エンヘドゥアンナは人々を戒める者として、そして戦女神としてイナンナを表現する。それにより彼女は好戦的なアッカドのイシュタルと愛と多産の穏やかなュメールの女神の特質同士を結び付ける。彼女はイナンナを、小さい神々のもとへ降り驚いたコウモリのようにはためかせて彼らを送り出す偉大な嵐の鳥に例えている。おそらく、その聖歌で最も興味深い点はエンヘドゥアンナ自身が過去の栄光を詠むために一人称で前進し、彼女の信頼を確立し彼女の現在の窮状を説明していることだ。彼女はウルやウルクの街の神殿から神官として締め出され草原へ追放された。ウルクはサルゴンに反逆したLugalanneの支配下にあったため、彼女は月神ナンナに彼女のために介入するよう請願した。反逆者Lugalanneは古代世界最大級の神殿のひとつEannaを破壊し、義理の姉妹に取り入った。
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