社会的重み付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 03:57 UTC 版)
DALYについての研究群での大きな相違点は、年齢に応じた値に「社会的重み付け」をつけるかどうかである。通常、青年としての年代は、子供や中高年の年代に比べてより高い価値付けがなされる。この重み付け方式は、生産性と子供時代の教育投資の収益回収に関連した社会的利益を反映させている。社会は、幼児に対しては相対的にほとんど投資をしていないし、中高年者からは投資に見合う回収を既に社会が実質的に受けているからである。青年は、教育等の最大限の投資を受け終わり、働き始めたばかりで、社会は投資に見合った利益を青年からほとんど得ていないからである。 グローバル疾病負荷 (GBD) 2001-2002年の研究では生存年を同等に計算したが、グローバル疾病負荷1990年及び同2004年の研究では以下の計算式を使用している。 W = 0.1658 Y e−0.04 Y ここでYとは実際の年齢を表し、Wとは平均すれば1となる係数を表す。eとは自然対数の底でe = 2.71828である。 これらの研究では、さらに対象者の年齢が増した場合、1年ごとに翌年は前年に比べて3%減価されて97%の価値で計算されることになる。 平均余命と損失年数、減価、社会的重み付けの相互作用の影響は、疾病の重篤さと疾病期間に関連して複雑になっている。例えば、グローバル疾病負荷1990年の研究で採用されたパラメーターは、39歳以前の死亡に対してはそれ以降の年齢と比較して高い重み付けを与えており、新生児の死亡に対して33DALYを与え、5-20歳の死亡に対しては概ね36DALYを与えている。
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