教育投資
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 23:51 UTC 版)
教育サービスを経済学的に考えると、個人の知的欲求の充足と言う消費の面と、それが教育を受けた人の労働の質を向上させ労働の生産性を高め、従って、生産力効果や所得造出効果を持つという意味で、人的資本に対する投資であるという面を持つ。人的資本に対する投資という面から教育を捉えるとき、それを教育投資と呼ぶ。 教育投資は、通常の物的投資が実物資本ストックへの追加であるとのアナロジーに、人間を生産のための労働を生み出す人的資本として捉え、教育はそれへの投資であると見なす考え方である。この考えは必ずしも新しいものではないが、それを経済学として本格的に取り上げ、その効果を実証的に測定しようとした最初の学者は、アメリカのセオドア・シュルツであった。教育経済学では、教育投資につき、その効果の測定や経済成長に対する寄与などが問題とされる。教育投資の効果の測定については、時系列分析やクロスセクション分析によって教育投資と所得水準、労働生産性などの関連が問題とされるが、教育の生産関数の計測の試みはその代表的のものである。これは、教育のインプットとアウトプットの技術的関係を実証的に研究しようとするものである。教育は技術進歩を促し、また、労働の能力を向上させることによって、経済成長に貢献する。経済成長の要因別寄与に関する実証分析がエドワード・デニソンなどによって行われているが、教育の経済成長に及ぼす寄与がその中で取り扱われている。
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