硯蓋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 18:36 UTC 版)
硯蓋(すずりぶた)は、江戸時代に出現したもので、卓袱料理や砂糖の普及とも絡んでいると思われる特異な献立である。当初は文字通り、硯の蓋に供されたともいわれる。硯蓋に出される料理はきんとん、羊羹、寒天菓子等の甘味類(料理の一品として出されるため料理菓子、口取り菓子とも呼ばれる)、あるいは蒲鉾、牛蒡や小魚の佃煮といった保存の利く食物が多く、これらは賓客が持ち帰る慣わしであった。ちなみに、御節料理としてお馴染みの伊達巻も硯蓋でよく出された料理といわれ、長崎では食感や製法の類似性から「カステラかまぼこ」とも呼ばれており、この三つの関連性は高いと思われる。 懐石料理における八寸に似ているが、八寸がその場で食べて(これを食い切りという)、料理も酒肴に近い物が供されるが、硯蓋は前記のように菓子類や保存性の高い食品が盛られる。関西では硯蓋の料理を口取りといい、内容は似ているがその場で食べる慣わしであった。現在はコストや慣習の問題から廃れている。
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