硬石膏
【英】: anhydrite
ガラス光沢を有する脆弱{ぜいじゃく}で無色ないし青色の粒状ないし繊維状結晶。その化学組成はCaSO4、硬度 3.5 、比重 2.98 で、しばしば加水変質して石膏{せっこう}(CaSO4・2H2O)に変化する。石灰岩や岩塩に伴って産出し、石油鉱床においては、極めて良好なキャップ・ロックとなる。 |

硬石膏(Anhydrite)

Campiano Mine,Montieri,Grosseto Province,Tuscany,Italy
CaSO4 画像の幅約2.5cm
硬石膏の結晶です。
この産地は美しい硬石膏を産出することで知られています。
硬石膏(Anhydrite)

宮城県柴田郡川崎町今宿笹谷トンネル
CaSO4 画像の幅約4.5cm
淡紫色をした硬石膏の標本です。
石膏(Gypsum)とは別の鉱物で、水を含まない結晶構造をしています。
中国語の「方解石」は、本来この「硬石膏」を指す名称でした。
硬石膏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/09 02:12 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動硬石膏 | |
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分類 | 硫酸塩鉱物 |
化学式 | CaSO4 |
結晶系 | 斜方晶系 |
へき開 | 三方向に完全 |
モース硬度 | 3.5 |
光沢 | ガラス光沢 |
色 | 無色、白色、青色、紫色、赤色 |
条痕 | 白色 |
比重 | 3.0 |
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学 |
硬石膏(こうせっこう、anhydrite)は、組成式 CaSO4、硫酸カルシウムを主成分とする硫酸塩鉱物の一つ。無水石膏の天然結晶で、英名も「無水物」を意味する。モース硬度3.9、比重2.97。性質は重晶石、天青石と類似している。
色は白色または灰白色で、薄く青色や緑色が混じることがある。水を加えても結晶水にはならず、2水和物である石膏(CaSO4・2H2O)には変化しない。
硬石膏は石膏と同様に海水の蒸発に伴って最初に析出するため、岩塩が堆積する場所の近く、特に岩塩の下層に豊富に存在する。その他、熱水鉱床や火山岩、凝灰岩の隙間などに塊状等の形態で産することも多い。
漢方でいう「方解石」とは、本来は硬石膏を指し、現在の方解石(炭酸カルシウム)とは異なる。
参考文献
- 松原聰 『フィールドベスト図鑑15 日本の鉱物』 学習研究社、2003年、ISBN 4-05-402013-5。
- 国立天文台編 『理科年表 平成19年』 丸善、2006年、ISBN 4-621-07763-5。
関連項目
外部リンク
- Anhydrite(mindat.org)
- Anhydrite Mineral Data(webmineral.com)
「硬石膏」の例文・使い方・用例・文例
- 硬石膏という鉱物
硬石膏と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
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